2015年11月06日

完全凌駕するくらい

完全凌駕するくらい
ここぞというときは前へ出てガンガンタックルを決め、マコウ、リードらが接点で働く。アタックに関しては、経過を記す中で前半最後のミルナースカッダーのトライに至る過程を絶賛した。

組織防御が発達を遂げる今、その上をいく攻撃力を持っているのが素晴らしい。上質なアタックは豊富な運動量と正確な判断力、パススキルの上に築かれたもの。アタックムーヴがこのレベルに達するか、フィジカルやセットピースがオールブラックスを、桁外れに強くならないことには頂点には立てない――という命題を他国に突きつけた優勝ではなかったか。

ゲームを支配したベースには、ノヌのセンタークラッシュ、あるいはFWの縦により、ピッチ中央で前へ出てアタック有利の局面を作り続けたことが挙げられる。防御を内へ寄せるお膳立てができるシーンは案外多く、外にできたオーバーラップをいかに攻略するかがこの試合の一番のポイントだったような気がする。ワラビーズにブレイクダウンで粘られた分、トライラッシュとはいかなかったけれども。あとは、いつものごとく、キックカウンターやターンオーバーといったアンストラクチャーの局面をいかに制するか。MOMにはカーターが選ばれた。21×17とされて乱戦ムードが漂い始めたあと、流れを自軍へ再び引き寄せるDG、ロングPGは値千金。妥当であろう。大会全体を通じた印象は、とにかくチームが成熟していたということ。キャプテンのマコウ、カーター、ノヌ、C・スミス、リード……前回大会の主力が、今回も変わらぬパフォーマンスでゲームを引き締めていた。

名前を上げ始めるとキリがないが、レタリックの質を伴ったハードワークの数々にも唸った。この試合の先発15人が大会ベストフィフティーンでもおかしくない中、個人的にMVPに推したいのはレタリックである。


Posted by 鴬 at 15:16│Comments(0)
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